ページ

2011年3月14日月曜日

倒れている人を発見したら

@Beer_My_Loveさんによるまとめです. 


1.傷病者を発見したら、まず周囲を見渡し自分の身の安全を確保する 理由:その傷病者はなにか危険なもの(落石やガス、交通事故などによる外的な事故)で倒れている場合があり、すぐに駆け寄ると自分も巻き込まれる可能性があるため.

2.傷病者に近づき、傷病者の周囲を観察し、ケガや出血、体液など感染の危険を確認する 理由:傷病者が何か感染性の病気を持っていた場合などは、血液や体液からの感染の危険が非常に高いため、自分の安全確保のため必ず確認します

3. 防御のためのビニール手袋、ない場合はビニール袋などを両手にはめます。 理由:出血などなく感染の危険がほとんどない場合でも、安全のため自己防御を行います

4.傷病者の方を軽くたたきながら、耳元で声を掛け、意識を確認します。 理由:ただ寝ているだけかもしれません。肩の骨の部分を指先で軽くたたくと、骨伝導で傷病者の体に響きます。反応や体動を確認してください

5.意 識がなければ、すぐに周囲に助けを求めます。「あなた、119番通報お願いします」「あなた、AED持ってきてください」そして、「必ず戻ってきてくださ い」も添えてください。119番を掛けてくれたのか、AEDを探してくれたのかの確認もありますし、救命の手助けのためでもあります

6.意識があっても意識もうろうとしている場合は119番通報をしましょう。呼吸が苦しそうでなければ、回復体位にしておくことで、急な嘔吐などにも気管を詰まらせてしまう危険が少なくなります。本人の意識があれば、楽な姿勢を聞いてあげることも必要です

7.意識がない場合はすぐに呼吸を確認します。2010ガイドラインでは、ざっと口と胸の動きを確認し、正常な呼吸かどうかを確認します。正常な呼吸を確認できれば、回復体位等で救急隊の到着を待ちます

8.意 識がない、正常な呼吸がないと判断したら直ちに心配蘇生を開始します。胸の中央に片方の手のひらの踵部分をあて、もう一方の手のひらを上から重ねます。以 前は両乳首の中心部分と表現していましたが、個人差があることから、2010ガイドラインでは胸の真ん中という表現に改められました

9.両膝を肩幅程度に広げ、傷病者のできるだけ近くに位置します。背筋をまっすぐ伸ばし、両手のひじもまっすぐに伸ばして固定します。このとき、雑巾を絞るイメージを思い浮かべてください。絞ったときのひじの形が、押す際に最も力を掛けられる疲れない姿勢になります

10.腰から上の体重を掛けてしっかりと押します。胸厚の1/3または5cm以上押し下げます。肋骨の骨折を心配されますが、押す位置(胸の中央)が正しければ骨折の危険は少なくなります。当たり前のことですが、骨折より命を取り戻すほうが重要ですよね。これが胸部圧迫法です

11. 胸部圧迫法は1/3または5cm以上しっかりと押すことが重要、同様に重要なのはしっかりと押す前の胸の位置まで戻すことです。心臓は血液のポンプ。胸部 圧迫により胸部の圧力を上げ心臓を収縮させ血液を押し出します。しかししっかりと戻さないとポンプは血液をためることができません

12.胸 部圧迫で押した後しっかりと戻してあげることは、次に押し出すための血液を心臓(ポンプ)にたくさんためる作業になります。この“戻す”作業ができていな いと、どれだけしっかり押しても、血液を送り出すことができなくなります。しっかり押してしっかり戻すのが大変重要なポイントです

13.心肺蘇生法は胸部圧迫法と人工呼吸法の繰り返しです。30:2と呼ばれる、胸部圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返していきます。AEDがある場合は、30:2を5セット(約2分)毎にAEDの解析及び必要に応じた電気ショックが行われます

14.胸部圧迫30回後に、できる方は人工呼吸を行います。このとき行う口対口(マウスtoマウス法)呼吸による感染の危険は非常に低いと言われていますが、自分を防護するためにも人工呼吸専用のフェイスマスク等があれば使用してください

15.人 工呼吸は2010ガイドラインからは「したくないひと、自信のない人」は省略してよいことになりました。但し、呼吸抑制による心停止(窒息や溺水など)や 小児の心停止(小児の場合は呼吸抑制による心停止が多いため)、またいつ倒れたのかわからない場合は人工呼吸を行います

16.心 肺蘇生中の人工呼吸は30回の胸部圧迫後2回行います。その際に気道の確保をします。頭部後屈顎先挙上と呼ばれる方法です。まず頭部後屈ですが、額に傷病 者に向かって頭側の手のひらを押し当てます。少々力が要りますが、ぐっと押し込むようにして頭を押し下げるようにします

17. 地面がアスファルトである等、頭部後屈が行いにくい場合は、首の下に腕をいれ、少し押し上げてあげることで同様にできます。もし頚椎損傷が疑われる場合にはためらわれますが、気道が確保できないと呼吸が抑制されたままになり蘇生困難になります。蘇生を優先しましょう

18.頭 部後屈の後顎先を軽く上げます。これにより筋肉が弛緩し沈下してしまった舌根により閉塞された気道を広げることができます。顎先挙上の際はできるだけ顎先 だけに触れるようにしてください。顎の柔らかい部分を押すと気道が閉塞されることがあります。口の中に異物があれば除去します

19.気 道を確保したら、頭部、顎先を保持したままで人工呼吸を行います。額の手の人差し指と親指で傷病者の鼻をつまみ、傷病者の口を自分の口で完全に覆うように してぴったりとつけ、1回/秒ほどかけて軽く2回吹き込みます。このとき目線は傷病者の胸にむけ、胸が挙がるのを確認します

20 .人工呼吸は失敗しても1度の人工呼吸に2回以上は行いません。胸部圧迫を優先し、できるだけ中断の時間を短くするためです。また、人工呼吸はあまり強く吹き込まないようにしてください。強すぎると胃に吹き込まれ膨れてしまい、胸部圧迫による循環を阻害されることがあります

21.人工呼吸後は速やかに胸部圧迫を続けます。体重移動だけで胸部圧迫、人工呼吸を行える位置で処置を行えば、中断時間をすこしでも短くすることができます。この30:2を救急隊が到着するまで、また患者の意識が戻るまで継続することが基本となります

22.救急隊よりも早くAEDが届けば、速やかに装着し電気ショックを与えます。救助者が2名以上のときは胸部圧迫と人工呼吸を継続しながらAEDの準備をしてください

23.まずAEDを傷病者の頭部におきます。後に回復体位にする際や操作者が変わる際にも速やかに行えるようにするためです。足側でも良いと思われがちですが、電極パッドのコードが届かない場合があります。傷病者頭部に置くことを基本としてください

24. AEDには大きく2種類あり、フタがついているAEDは開けると自動で電源が入ります。フタがついていないものは電源スイッチを入れてください。電源が入 ると、すぐに音声ガイドが始まり、操作を丁寧に速やかに導いてくれますので、初めて操作する方でも使えるようになっています

25.必 ずAEDの音声ガイドに従います。音声ガイドは大音量ですが工場や工事現場など周囲の音が大きい場合聞き取れないことがあります。AEDによっては液晶表 示がついて音声ガイドと同じ指示をする機種がありますので、聞き取りにくい場合液晶表示がついていればその指示を見て操作します

26.傷病者の上半身を裸にします。女性の場合いろいろと議論がありますが、蘇生を前提にすべてを速やかに行ってください。余裕があれば、回りの方にお願いして後ろ向きに人垣を作ってもらいましょう。残念なことですが、心無い方々からの防御も大変重要な救命の作業のひとつです

27.傷病者の胸部が汗や水分で濡れている場合は、タオルや衣服などで拭い取ります。あまりに多い胸毛のときは、予備のパッドがあればそれを脱毛テープ代わりに使用します。なければ剃刀で剃毛しますが、それもないときは貼り付ける位置を変更することも考えます

28.貼 り付け位置にペースメーカーの胸のふくらみがあった場合は、そこから8cm以上離して貼ります。貼付場所を躊躇するなど時間をかけるのであれば、そのまま 所定の位置に貼付けます。ペースメーカー故障の恐れがありますが蘇生が優先します。一般的に利き腕の反対胸部に埋込まれるようです

29. 電極貼り付け位置にニトロやシップなどの貼り薬がある場合は、すべて取り除いてください。そのまま上に貼り付けると、電気ショックの妨げになります。ネックレスや貴金属が取り外せない場合は、パッドからできるだけ離します

30. AED から電極パッドの入った袋を取り出し、破いてパッドを取り出します。まず1枚をはがし、傷病者の右鎖骨の下の胸部にしっかりと貼り付けます。剛毛の胸毛が あり、いかなる脱毛処理ができない状況の場合は、右肩に(凸凹があるので)皮膚から浮かないようにしっかりと貼り付けます

31.もう一方のパッドをシートからはがし、左わき腹、できれば腋の下から5cm程度足側に放した場所に、皮膚から浮かないようにしっかりと貼り付けます。ここまでのAEDの準備はできる限り胸部圧迫を継続したままで行います

32.電極パッドの貼付けが終わるとAEDはすぐに心電図の解析を行います。速やかに傷病者に触れないようにします。2人以上で救命を行っている場合は、このとき初めて胸部圧迫を中止します

33.AEDの心電図解析が数秒で完了し、後に必要な場合は「電気ショックが必要です。充電中です」のアナウンスが流れます。充電は10秒程度で完了しますので、その間に傷病者に誰も触れていないことを確認します

34.電気ショックを行う際に傷病者に誰も触れていないことを確認することは非常に重要です。触れている人が感電するだけでなく、傷病者にも必要な電気ショックが与えられなくなり救命に失敗する恐れがあります

35.充電完了後、AEDのショックボタンが点滅します。誰も傷病者に触れていなければ、躊躇なく速やかにショックボタンを押します。電気ショック時は傷病者の筋肉が収縮し、体動を起こすことがあります

36.AEDのショックボタンを押した後、すぐに傷病者に触れても大丈夫です。直ちに胸骨圧迫から開始します。電気ショックが成功すると、心臓の痙攣を止めリセットをかけた状態です。心臓か再起動するまでのあいだ脳に酸素を送るために、遅滞なく胸部圧迫と人工呼吸を継続します

37.AEDが心電図を解析したときに「電気ショックは必要ない」ということがあります。これは心臓が静止している(痙攣すらしていない)場合もありますから、直ちに胸部圧迫と人工呼吸を再開してください

38.AEDを装着した後は、胸部圧迫、人工呼吸等はAEDを装着し電源を入れたままで行ってください。AEDは傷病者の心拍が再開するまで胸部圧迫(+人工呼吸)-AED(心電図解析と電気ショック)を2分1サイクルで継続するプログラムになっています

39.傷病者の意識が戻った場合は、傷病者自身が胸部圧迫を拒絶するしぐさがあります。その場合は速やかに回復体位をとる、もしくは傷病者の楽な姿勢にして救急隊を待ちます。間違ってもAEDをはずしたり電源を切ったりしてはいけません

40. 心 肺蘇生の中止するタイミングですが、①傷病者の意識が戻ったとき②救急隊に引き継いだとき③このまま救命活動を続けると自分の生命に危険を感じるとき の 3つです。これ以外は心肺蘇生を継続します。また、意識が回復しない場合においても、死亡判断を行えるのは医師のみです

41. 救急隊が到着したら、傷病者発見の経緯等、救命士に質問された場合は説明してください。これで救命の最初の輪になった貴方の救命活動は終了しました

42. 救命を行った方のなかには、精神的に不安定になる場合があります。これは人として普通のことです。最近ではこのような精神的不安を治すためのカウンセリン グ治療なども行われています。救命に携わったのち数年後に発症することもあるため、少しでも気になる場合は速やかに相談しましょう

0 件のコメント:

コメントを投稿